こんにちは、出目金です。
看護師として、デイサービスで機能訓練(からだを動かす練習のお手伝い)に関わってきました。
今日は少しまじめに、でもできるだけやさしく、
「拘縮(こうしゅく)」のお話をします。
拘縮って、なに?
拘縮とは、ひとことで言うと——
関節が固まって、動かしにくくなることです。
肘、膝、指、肩。
体を動かさない時間が長く続くと、関節のまわりの筋肉やすじが硬くなり、
だんだん曲げ伸ばしができなくなっていきます。
「使わないと、固まる」。
体は、とても正直にできています。
固まると、なにが困るの?
「少し固いくらい、いいんじゃない?」と思われるかもしれません。
でも、関節が固まると、毎日の暮らしのあちこちで困りごとが起きます。
- 着替え:肘や肩が伸びないと、袖に腕を通すのがひと苦労
- 食事:指が開かないと、スプーンが握れない
- おむつ交換や入浴:膝や股関節が固いと、介助する側もされる側も大変
- 清潔:握りこんだ手のひらの中は、洗えずに皮膚トラブルの原因に
そして、もうひとつ大事なこと。
拘縮は、痛みの原因になります。
固まった関節を無理に動かすと痛い。
痛いから動かさない。
動かさないから、もっと固まる——。
この悪循環が、いちばんつらいところです。
「固まってから」では、遅い
ここが、専門職として一番お伝えしたいことです。
拘縮は、一度しっかり固まってしまうと、元に戻すのがとても大変です。
何ヶ月もかけて少しずつ、それでも完全には戻らないことも多い。
だからこそ大切なのが、
「固まる前に、先回りして防ぐ」
というアプローチです。
火事と同じです。
燃え広がってから消すより、火の用心のほうがずっとラク。
先回りって、具体的になにをするの?
特別なことではありません。
- 毎日、関節をゆっくり動かす(自分で動かすのが一番、難しければ介助で)
- 座る・立つの機会を作る(寝たままの時間を減らす)
- 「ちょっと動くきっかけ」を暮らしに散りばめる(タオルたたみ、体操、レクリエーション)
デイサービスでの個別訓練やマシントレーニングも、
実はこの「先回り」の役割を果たしています。
楽しく体を動かしているうちに、
気づかないところで関節が守られている。
それが理想のかたちだと思っています。
おわりに
拘縮の予防は、地味です。
「今日やったから明日良くなる」というものでもありません。
でも、半年後・1年後の
「自分で袖に腕を通せる」「痛みなく眠れる」
を守るための、確かな積み重ねです。
ご家族にできることもたくさんあります。
気になることがあれば、いつでもスタッフに声をかけてくださいね。
出目金|看護師。デイサービスでの機能訓練指導・看護業務を経て、人の暮らしに寄り添う仕事をしています。